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「オレにもちょ〜だいvv
ちゃんはオレに背を向けているからその表情は見えないけれど、ムッとしてるのがわかった(笑)
「だ〜か〜らぁ、自分でむいて食べればいいんでしょー?」
背中ごしに指でつまんだ蜜柑の房を差し出すちゃん。ちぇ、こっち向いてくれたってイイのに。
「いっただきま〜す♪(パクッ)」
「・・・!?だから指まで食べるんじゃないのっ!(///)」
こ〜ゆ〜素直な反応がたまんないんだよねvvオレは引っ込められようとしてる手首をスッと押さえて、蜜柑の香りのするちゃんの指を味わった。
「おいしいvv(ちゅ)」
「・・・い、いい加減にしないと怒るからねっ!(汗)」
あちゃ、耳まで赤いよ!やっぱかわいいなぁ、ちゃんてvv
「そ、それにねぇ!なんでココに座るのよ?前に座ればイイじゃないのよっ」
そんな真っ赤な耳して怒ったって、全然迫力ないよ、ちゃん?
「だって、ココがイイんだも〜んv(スリスリ)」
「・・・っ!そ、それじゃあココ譲ってあげる!あたし、向こう側に座るから」
「え〜、なんでぇ〜?こうやって座ってるほうが、背中あったかいでしょ?」
「・・・そーゆー問題じゃないッ(///)」


このところ忙しくて、なかなかちゃんちへ来るチャンスがなかったんだよね。それで今日、久々にちゃんちに来たってワケなんだけど、そうしたら彼女の部屋はすっかり冬仕様になっていた。
薄手のカーテンは厚くて暖かそうなものにかわり、部屋の中央にはラグがひかれて、そのうえにこたつが出してあった。
オレがやってきたとき、ちゃんはこたつに入って蜜柑を食べながら雑誌を読むという、冬の風物詩(?)を絵に描いたような午後の時間を過ごしていた。
「外、寒かったでしょ?こたつ入れば?」
「うん!」
で、オレはお言葉に甘えて、ちゃんを後ろからだっこするような感じでこたつに入った。
「・・・なんでココに座るんデスカ?(汗)」
「だって、この方があったかいデショ?」
冷え切っていたオレは、腕の中の暖かさとやわらかさを楽しむ。う〜ん、幸せvv
そして冒頭に戻って、オレは小鳥の餌付けよろしく、ちゃんに蜜柑を強請っていたのだ。
「カカシってさぁ〜」
「ん、なぁに?」
「犬っぽいよね。それも甘えん坊の大型犬・・・」
「うん!オレ、ちゃんのペットだも〜んvv
「ぶはっ!(爆笑)」
ちゃんが肩を震わせて笑ってる。んん?オレ、なんかヘンなこと言ったかな?
「とても『里一番のエリート忍者』には思えないんだけど(笑)」
「え〜?オレってば、すんごい優秀なのにぃ〜?(涙)」
「優秀なのは知ってるけど、ちゃんと飼い主のトコへ戻ってこなきゃダメなんだから・・・ね?」
「・・・絶対帰ってくる」
オレは、ぎゅうっとちゃんを後ろから抱きしめた。ちゃんが手を伸ばして、細い指でオレの銀色の髪を優しく梳いてくれる。
「ちゃんと帰ってこないと、別のコ飼っちゃうんだから」
「そんなの絶対ダメッ!!(汗)」
ちゃんがクスクス笑う。まったく人が悪いんだから。オレが焦ってるのがおもしろいんだろうけどさ・・・。
マジで焦るよ?そんなことになったら・・・。
「ハイハイ、わかったわかった。カカシしか飼わないから安心して(クスクス)」
オレがちゃんと付き合ってるのを知ってる癖に、未だにちゃんに告白しようっていう勇気あるヤツがいるんだよね(怒)
まぁそんな時は、オレが文字通り番犬になるんだけどさ。
唯一の救いは、ちゃんがそーゆー方面に疎いってコトかな。
だから、オレがさりげなくアプローチしても、全然まったくこれっぽっちも気づいてくれなかったんだよね・・・。
「ここはオレの特等席なんだから、誰も座らせちゃダメなんだからねッ」
「誰も座りたがらないでしょ(笑)」
そう言って、ちゃんはまた新しい蜜柑の房を口に放り込んだ。甘酸っぱい蜜柑の香りがひろがる。
わかってないね。
わかってないよ、ちゃん?自分がどれだけ魅力的なのか知ってる?
オレがむぅと黙り込んでいるのがわかったのか、ちゃんは蜜柑の房をポイッとオレの口の中へ放り込んだ。
「おいしいでしょ?」
「・・・ウン」
オレが犬なら、ちゃんはきっと猫。
透き通ったガラス玉みたいな瞳でオレを見て、捕まえたと思ったらスルリとオレの腕をすり抜けていく。
かと思えば、オレの足元にすりよってきて、『撫でて』と柔らかな毛並みをこすりつけてくる。
「ね、今日ご飯食べていくでしょ?」
「・・・ウン」
「うーんとね、ブリの切り身があるの。照り焼きと塩焼きとどっち?」
「・・・照り焼き」
「りょ〜かい♪」
こんな些細なことで、すぐに機嫌を直すオレ。ホント、ちゃんてオレの操縦法を心得てるとゆーか、なんとゆーか(笑)
ちゃんの意識はまた雑誌に戻ってしまったのか、片肘をついてちょっとうつむき加減になる。
そうすると白くて細い首筋が、黒髪のすきまからチラチラとオレの目の前で揺れる。・・・ふぅん、イ〜イこと思いついちゃった♪
「!(ちゅ)」
「ひゃあっ!何すんのよ!?」
「んん〜?・・・味見?」
「あ、あじ、味見ってナニッ・・・!?しかもなんで疑問形なのよっ?」
ちゃんは真っ赤になって、首筋を押さえてる。あ〜、やっぱカワイイよなぁvv
「んじゃ、本格的にイタダキマ〜スvv
「この変態エロ上忍!!(///)」
ちゃんはバッと立ち上がると、お米を研いでくると言って、台所へ逃げ込んでしまった。
あーあ、ちょっとヤリすぎちゃった?(笑)


猫はするりとオレのひざから逃げ出してしまった。
・・・でも大丈夫。その細い首には、オレのつけた首輪があるから。
キミは気まぐれだけれど、オレのところへちゃんと戻ってきてくれるよね?
その首輪が消えないうちに戻っておいで。オレのひざはいつも空けているから。
キミが戻ってきたら、また赤い首輪をつけてあげよう。キミにいちばん似合う首輪を・・・。




【あとがき】
わたしは昨日こたつを出しましたこたつでハーゲンダッツって最高(T-T)
カカシ先生って、ゴールデンレトリバーとかのイメージがあるんですけどどうでしょう?
かわいいにゃんこの画像があれば良かったんですけど、見つけられなくて残念・・・。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。
 2003年11月16日