Where is the party?




「さぁ、帰ろうかな」との呟きと共に立ち上がり人生色々をあとにしようとしたが
「ちょっと待って、はい、これ」と少し大きめな包みが目の前に差し出された。
この差し出した相手はアンコと紅。
なんだこれ??
「ねー、中はなんなのこれ。」
「あんたが一番欲しいものよ。」
「あたしが一番欲しいもの・・・・ってなに?開けてもいい?」
「家に帰ってから開けなさいよ」
そう紅に一喝された。
「なんか、怖い。しかもあんたたち二人からってのが恐怖をそそるわ」
「失礼ね。、明日はあんたの誕生日でしょ。だからプレゼントよ」
「あ!そうだった。」
「やっぱり忘れてた、。私たちも忘れてた・・・」
「アンコ!」
何か言いかけたアンコを紅の声がさえぎる。
「まあ、そういうわけだから。あんた、明日休みでしょう。だから今日渡しとくわ。」
さっきアンコが何かいいかけてたのが気になったけど、この二人が一度口を噤んだことを教えてくれるとは思えない。
まぁ、いいやーー。もらえるものはもらっておこう。
それにちょっと疑ってたことに対する後ろめたさもあるし素直に御礼を言う。
「ありがとう。遠慮なくもらって帰るねー。」
そういいながら出て行った。残った二人は笑みを浮かべ楽しそうにしていた。


そろそろ日付も変わろうとしている時間。寝ようかなっと思ったがあの二人に貰った大きな包みが目に入った。
何くれたんだろうー。それよりこんなことに置いただろうか。まぁいいや。
包みを開けるとぬいぐるみが入っている。あらカワイイ、手触りが気持ちいい。その中に一緒に入っていたであろう説明書がピラッと落ちる。
それを手にとってみると抱き枕使用方と書いてあり、抱いて寝るものらしいということがわかる。あの二人にしては、ラブリーなものをくれたなーと思いつつ。
なるほどー、抱いて寝たら気持ちよさそうよね。ベットにその抱き枕と一緒に入り抱きしめると、これいいかもと思った。
夢見心地のフワフワした感じの時にいきなりそのぬいぐるみがボワンと音と煙を立てたので慌ててその場から離れようとしたが、体を逆に抱きしめられた形になり
それは叶わなかった。
ちゃん、お誕生日おめでとーー」
「な、なに?ん??カカシ・・・」
驚きのあまり夢現をさまよっていた意識はすぐに覚醒してしまった目を擦りながらさっきまで抱いてたはずのものはカカシに変身していた。
「・・・なんでいるの?」
「もちろんちゃんのお誕生日のお祝いを言いにだよー。やっぱり早く言いたいじゃない」
「はぁ。それはどうも。」
冷ややかに答える。
「冷たいよ、ちゃん。」
「そりゃ、気持ちよく眠りかけてるとこを起こされればこんなもんなんじゃない」
「さっきはあんなに抱きついてくれたのに、撫で回してくれたのに。オレどうしようかと思っちゃった。」
ちょっとテレたようにカカシが言う。
「へ、変な言い方しないでよーー。なんでわざわざぬいぐるみに変化して言いにくる必要があるの。」
「ま!それはいいじゃない。でも、ちゃん全然気づかなかったね。危ないなー。他のやつだったらどうするの」
そういえば、全然気づかなかったけど。ちょっとプライドを傷つけられたわ。見破れないなんて。それにしても
「ご心配ありがとう。でも安心してそんなこと考えるのカカシだけだと思うから。とりあえず腕離してくれない」
「えーー、さっきはちゃんから抱きついてくれたのになー。」
腕を離してくれる気はなさそうだな。
「はいはい。ん??」
そういえば、コレってくれの紅とアンコじゃなかったっけ・・・。
「どうしたの考え込んじゃって」
「あのー、出来れば聞きたくないんだけど、コレってくれたのが紅とアンコだったと思うんだけど・・・まさか・・・」
「まさか?あの二人も知ってるのかってこと。」
聞くのが怖いけど聞いておかないとスッキリしない。
「もちろんだよー。」
絶対におもしろがってるよ、あの二人。
「この発案者はあの二人?」
「ちが〜うよ。ま!協力はしてもらったね。いやー、プレゼント何にしようかな〜と思ってたら、さっきのが目に入ってきていいかもっと思ったんだよね。
ちゃん専用の抱き枕。どう?ああ、この場合抱かれ枕?」
自分を指差しながら言う。
どういう思考回路をしてるのか一度でいいから覗いてみたい。いやいや、みて落ち込むのは私だから見れないほうがいいかも。
そんなどうでもいいことを考えていると、ぎゅうーっと抱きしめる腕に力をこめて耳元でどう?っともう一度聞いてくる。
「危険な気がするからいらない。安眠妨害しそうだから。」
「ひ、ひどい、ちゃん。」
「じゃあ、変化したままで安眠を妨害しないって言える?」
ちゃんが横で寝てるのにそんなことできるわけないじゃないー。だからね〜」
「だから・・・?」
かなりいや〜な予感。
「ほら、誕生日で記念日じゃない二人でベットの上で祝おうよ。ね?」
可愛くいってますが却下です。
「祝ってくれるのはありがとう。でも、ここじゃないほうが・・・というか・・」
「ま!そう言わないで」
すでに抱きしめられてる体勢では抵抗できない。
でも多分・・・・。
大人しくしていると、ガッチリ押さえ込まれてしまった。
いきなり、唇を塞がれる、そしてすぐに離れていく。
そこで私はにっこり笑う。逆にカカシは渋面になっている。
「ほっとけばいいじゃない」
「あの二人・・・いや三人か・・がそれで大人しく引き下がると思うの。覗き見されるなんてぜったいイヤよ。多分来るとは思ってたのよねー。」
その言葉で体に回されていたカカシの腕が外れる。
「はぁ」
「最初にあの二人を巻き込むからよ〜」
だいたい、カカシのことをからかって遊ぶの趣味なんだから。まぁ私も遊ばれてるか。
あまりの凹み具合にちょっとかわいそうかなー。
カカシと呼ぶとなに〜と気の抜けた声で返事が返ってきた。
こっちを向いた瞬間にカカシの唇に素早くキスをする。
唇を離しながらカカシを見ると、照れたような顔をしていた。
め、珍しい〜。ちょっと人にみせるの勿体ないな〜。
「プレゼントのお礼よ」
そう言いながら、カカシが背を向けている窓を開ける。
夜の闇の中に向かって、お茶でもいれましょうかというと。
「ばれてた〜」
といいながら静寂を打ち破りアンコと紅、その後ろからアスマが出てきた。
「うん。近づいて来てた時から。」
「せっかくの二人きりの時間を・・・おまえらねぇ」
窓から入ってきた3人に不機嫌そうに声をかけるカカシはもういつもどおりだ。
「カカシ諦めろ。あいつらを巻き込んだおまえが悪い。」
アスマはそうカカシに声をかける。
「で、なんでお前までくるんだよ。ヒゲ。」
「あいつらに連れてこられたんだよ。それに面白そうだったしな」
「そうよ、こんな楽しいこと私たちが見逃すわけないじゃない。カカシ」
紅にそう言われたカカシは深くため息をついた。
「ま・・・いいんだけどねー」
そういいながらも目は笑っていないですカカシさん。
「ほら、こういうお祝い事はみんなでパーッとしないと。ほら好きなだけ食べな」
そういいながら団子を出すアンコ。
その間に紅は私に耳打ちする。その言葉に顔を赤らめてしまった私をカカシが不思議そうに見つめていた。
なに言ってるのと聞きたがったけど言えるわけがない!


「ね。の一番欲しいものだったでしょ。」

なんて、カカシに言えるわけない!




【あとがき】
『self-sufficient』さまの壱万打感謝企画フリー夢をいただいてまいりました
カ、カカシ先生の抱き枕(抱かれ枕?)・・・ほ、欲しいッ! もちろん変化を解いた状態でお願いします(笑)
きっとカカシ先生が変化したぬいぐるみは『わんこ』に違いないと思いませんか?(笑)
吹雪さま、みえさま、楓さま、ありがとうございましたー!