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「ん?」
なんや・・・?女の泣き声がする?
すっかり夜も更けた帰り道。誰もおらんと思うてたのに、そこにはうずくまった女のコがひとり。
よくよく見てみると、死覇装を着とるみたいやなぁ。
「どないしたん、お嬢ちゃん?こないなトコで寝とったら、悪いオトコに攫われてしまうで」
「・・・い、市丸隊長・・・?」
「なんや、やったんかいな」
涙でぐちゃぐちゃになった顔でボクを見上げたんは、三番隊の新入りの
いっつも元気で可愛らしいコなんやけど、なんや今日はえらい泣いとるなぁ。
「どうしたんや、?」
「・・・ふぇ・・・ひっく・・・あ、あたし・・・捨てられちゃった・・・・・」
「捨てられた?」
「ふ、二股かけられて・・・あたしより・・・もうひとりのコの方が・・・好きだって・・・」
は泣きながらそう言うた。なんや、オトコにふられたんかいな。
「なんで泣くん?」
「だ、だって・・・」
ボクを見上げたの瞳から、またポロポロと涙が零れた。可愛いコは泣き顔もええなぁ。
「そんなボンクラ、こっちから願い下げやろ」
「ボンクラって・・・」
のええトコをわからん、そんな阿呆なオトコ、はよ別れて正解や。そんなオトコのために泣くことあらへん」
「でも、隊長・・・あたし、あのヒトのこと大好き・・・だったんです・・・。けど、けど・・・」
「捨てられた?」
「・・・っ」
はキュッとくちびるを噛み締めて、嗚咽が漏れるのをガマンしてるみたいやった。
あかん、あんまりイジメたら嫌われてしまうわ。このへんでやめとこか。
「・・・ほな、ボクが拾ってもかまへんな」
「へ?」
うずくまったままのを抱っこする。やっぱり、こないなときは『お姫さま抱っこ』せなあかんわなぁ?
「う、うわぁ!い、市丸隊長、お、降ろしてくださいっ」
「なんでやのん?はボクが拾うたんやから、ボクんちへ持って帰るんや」
「なっ?!」
「そやろ?は捨てられとったんやから、ボクが拾うてもなんも問題あらへん」
「た、隊長っ?!」
「こら、そないに暴れたらあかん」
もう五月蝿いコやなぁ。ちょっと黙っとき。
「市丸隊長、降ろし・・・」
ボクは、のくちびるを塞いだ。はビックリして声もでぇへんみたいや。
これでちょっと静かになったかな?
のくちびるは、涙でちょっとしょっぱかった。こんな可愛いコ、捨てるなんて阿呆なオトコがおるもんや。
「ボクは、のコト大事にするで。絶対捨てたりせぇへんし」
「・・・隊長ぉ・・・」
「『隊長』やのうて、『ギン』て呼び」
やっぱり泣き顔よりも、真っ赤になって恥ずかしそうなの方が可愛いわ。
「たまには残業もしてみるもんやなー♪」
さっさと帰ろうと思とったのに、イヅルに邪魔されてもうて・・・。ま、今日はエエもん拾うたし。
ちょっとはイヅルに感謝せなあかんかも。明日、昼でもご馳走してあげよか。


ボクはを抱っこして、上機嫌で家路を急いだ。




【あとがき】
は、初書き市丸ギン隊長・・・(汗)
1時間くらいで書き上げました。うう、しかし、言葉使いが難しいよぉ・・・。
そしてイキナリお持ち帰りしてます、隊長(笑)
この展開なら、カカシ先生でもオッケーな感じ?なら、カカシ先生で書けって?(笑)
いや、ちょっとね書いてみたかったのですよ、市丸隊長が。
カカシ先生でも書いてみようかなー?どこまでキャラの書き分けができるか、自分に挑戦?(笑)
しかし、すごいタイトルだ・・・。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
 2004年7月5日