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「んー?」
なんか、誰かの泣き声がする?
真夜中の里は静まり返っていて、その泣き声がやたら大きく聞こえてくる。泣き声っていうよりは、しゃくりあげてるってカンジ?
ほっといてもイイか、と正直思ったけど、そいういうワケにもいかないし。何かあったら寝覚めが悪いデショ?
そう思ったオレは路地を一本早く曲がってみた。案の定、そこには女のコがうずくまっていた。
「どうかしましたか?」
酔っ払いかとも思ったけれど、とりあえずは丁寧に聞いてみる。ま、これも仕事のウチ?
アレ?この気配は・・・?
「・・・カ、カカシ先生・・・」
センセ?」
涙でぐちゃぐちゃになった顔でオレを見上げたのは、アカデミーの新人講師のセンセ。
いっつも元気でにこやかで可愛いコ。生徒達も良く懐いていた。でも、いまは泣いてる・・・?
「どうしたの、センセ?」
「・・・ふぇ・・・ひっく・・・あ、あたし・・・捨てられちゃった・・・・・」
「捨てられた?」
「ふ、二股かけられて・・・あたしより・・・もうひとりのコの方が・・・好きだって・・・」
センセは泣きながらそう言った。なんだ、オトコにフラれたんだ。
「なんで泣いてるの?」
「だ、だって・・・」
オレを見上げたセンセの瞳から、またポロポロと涙が零れた。可愛いコは泣いても可愛いね?
「そんな大バカヤロウ、こっちから願い下げデショ」
「大バカヤロウって・・・」
センセのいいトコロをわかってない、そんな大バカヤロウとは別れて大正解。
 そんな奴のために泣いたらもったいナイ」
「でも、カカシ先生・・・あたし、あのヒトのこと大好き・・・だったんです・・・。けど、けど・・・」
「捨てられた?」
「・・・っ」
センセはキュッとくちびるを噛み締めて、嗚咽が漏れるのをガマンしてるみたいだった。
オレは、頭をポリポリと掻いた。あんまりイジメたら、嫌われるかな?もうちょっと泣き顔も見ていたいんだケド。
「・・・じゃ、オレが拾う」
「へ?」
うずくまったままのセンセを立ち上がらせて、お姫様抱っこする。やっぱり、こーゆーときは『お姫さま抱っこ』じゃないと
「う、うわぁ!カ、カカシ先生、お、降ろしてくださいっ」
「なんでー?センセはオレが拾ったんだから、どうしようとオレの自由デス
「んなっ?!」
「デショ?センセは捨てられたんだから、オレが拾ってもなにも問題ナシ」
「カカシ先生っ?!」
「コラ、暴れないの」
もうウルサイなぁー。ちょっと静かにしてもらっちゃおうかな?
「カカシ先生、降ろし・・・」
オレは、センセのくちびるを塞いだ。センセはビックリして声も出せない。
これでちょっと静かになったかな?
センセのくちびるは、ちょっとしょっぱかった。こんな可愛いコ、捨てるなんてバカなオトコがいるんだねぇ?
「オレは、センセのコト大事にします。絶対捨てたりしません」
「・・・カカシ先生・・・」
「『カカシ先生』じゃなくて、『カカシ』デショ?」
泣き顔もイイかと思ったけど、真っ赤になって恥ずかしそうなセンセの方が何倍も可愛い。
「今日はいいモノ、拾っちゃったなぁー
「カ、カカシ先生っ?!」

今日、オレは可愛いネコを拾った。

まだまだオレに懐いてはくれないけれど。
いつかは、オレに懐いてくれるよね・・・?




【あとがき】
カカシ先生バージョン(笑)
我ながら、なんというちゃれんじゃー(汗)・・・市丸隊長のテキストの上から書き直して 約30分。え?もうちょっと時間かけろって?(笑)
すみません、すみません・・・(汗)

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
 2004年7月6日