もし出会わなければ?




もしお前と出会わなければ私はどうなっていたのだろうか、と時々考える。
鬼の里が襲撃された夜――あの夜で私の人生は終わっていたのだろう。
突然目の前に現れたお前が、私を助けてくれなければ・・・。

「先生!リスですよ!」
私の足元に近寄ってきたリスを見て、お前ははしゃいだ声をあげる。
「大きな声を出すと、驚いて逃げてしまうぞ」
「あ、ごめんなさい。・・・うわ〜、可愛い」
はその小さな生き物にすっかり魅了されてしまったようだ。なんとか触れないものかと思案している。
「じっとして驚かせないようにしていれば、近づいてくる」
「ホントだ・・・。先生にすごくなついてるみたい」
瞳を輝かせて楽しげなお前を見ていると、私まで穏やかで幸せな気持ちになっていく。


お前という存在がどれほど私を幸せな気持ちにさせているか、お前は知っているか?


私と出会ったことが、お前にとって幸福なことだったのか、不幸なことだったのか、
いつかお前に聞いてみようか・・・。




【あとがき】
ネオロマ企画投稿作品。
短いっ!(笑)
いつも長くなっちゃうので「短く書こう!」と努力した結果です(^^;)
というか、リズ先生は好きなんですが、なかなか書けないというのが本音です(笑)

最後まで読んでいただいてありがとうございました。
 2007年6月16日