Say You Love Me 第1話
なんだろ、このフワフワしたの・・・?白?ううん、きれいな銀色・・・。
自分の目の前にある、銀色のふわふわしたモノに、は手を伸ばしてみた。
想像したとおり、それはフワフワとやわらかくて、手触りがいい。はそれをもっと撫でてみた。
犬?猫?そんなのが部屋に居るわけもないし・・・。ぬいぐるみかしら?でも、そんなの持ってない・・・。
ああ、カカシくんの髪の色みたい・・・。触ったことはないけれど、彼の髪もこんなに柔らかいのかしら・・・?
ぬくぬくとしたベッドから起き上がれず、夢うつつの状態ではそれを撫でていた。
「くすぐったいよー」
「ああ・・・ゴメンね、カカシくん」
撫でていた手を止め、は再びまどろみ始めた。
「あれ、もう一回寝ちゃうのー?」
「・・・・・・?!」
なんでカカシくんがここに居るの?!
一瞬にして覚醒したは、ガバッと飛び起きた。
「オハヨー、さんv」
そこには上半身ハダカで、ウーンと伸びをするカカシが居た。
「よく眠れた?」
「え、あ、ウン・・・」
にこにこしているカカシに、はしどろもどろになりつつも答えた。
「オレ、先にシャワー浴びてくるね」
そう言って立ち上がったカカシはパジャマのズボンしか身に着けておらず、鍛え抜かれた上半身が露わになっている。
その身体には無数の傷跡があり、は改めてカカシが忍者だったのだと思った。
ぼんやりとしていただったが、やがてシャワーの水音が聞こえ始めると、ハッと我に返った。
――徐々に昨夜の記憶が戻ってきた。
確か昨日は・・・カカシくんが、あたしのお誕生日祝いをしてくれるって言って、一緒に飲みに行ったんだ。
お腹一杯飲んで食べて、それからどうしたっけ・・・?そうだ、カカシくんが『誕生日にはケーキでしょ』と言い出して、遅くまで開いているケーキ屋さんをみつけて、バースデーケーキを買ってくれたんだ。
それから・・・カカシくんの家で食べようって言って・・・?
――そこから記憶がない。
はサーッと青ざめた。自分の居る場所と格好にようやく気づいたのだ。
ここはもちろんカカシの家。そして、自分が居るのはベッドの上。ついさっきまで、カカシが隣で眠っていたのだ。
しかも、自分はパジャマの上しか着ていなかった・・・!には大きすぎるそのパジャマはどうみてもカカシのもので、よくよく見てみるとさっきカカシの穿いていたパジャマのズボンと同じ柄である。
ひ、一組のパジャマを分け合って、寝ちゃったってコトですかー?!それって、それって、もしかして・・・ってコト?!
かぁぁぁっと頬に血が上る。
「嘘、でしょ・・・」
酔った勢いで、そうなっちゃったの・・・?でも、カカシくんがあたしなんか相手にするワケはないし・・・。
も、も、も、もしかして、あたしが押し倒しちゃったのー?!(ToT)
うわーッ、っと頭を抱えたくなっただったが、ハッと我に返って、慌てて身支度を始めた。
パジャマを脱ぎ捨てて、昨日のシャツを拾い上げたのだが・・・。
「○◆△×□★」
ビックリしすぎて声がでない。の視線の先には――自分の胸元に咲いた赤い華がひとつ。
これで、酔っ払った雑魚寝したのかもという儚い希望は打ち砕かれてしまった。
は慌てて着替えると、逃げるようにカカシの家を飛び出した。
【あとがき】
ついにやってしまいましたですよ、初連載♪予定では、1日1話アップしていくつもりですので、ぜひぜひお付き合いくださいませ♪
今回は『カカシくん』に萌えを感じていただければ・・・(笑)
あ、ちなみにエロい方向へはいかないと思われますので、ご期待されぬよう・・・え、期待してないって?
最後まで読んでくださってありがとうございました。
2004年4月18日