愛しい
誰かを『愛しい』と想う気持ちは、どこからやってくるのだろう・・・?
早朝、あたしはふと目を覚ました。
枕もとの目覚ましを見てみると、セットした時間まであと2時間もある。
もう一眠りするかと布団にもぐりこむと、傍らでスヤスヤと眠る恋人が目に入った。
・・・しあわせそうな顔しちゃって。
あたしは滅多にないチャンスとばかり、じっくりとカカシの寝顔を観察した。
サラサラとした銀色の髪が、カーテン越しの朝日を受けてキラキラと光っている。
ほんとにキレイな顔してるよね・・・。
すらりと通った鼻梁に、意外に長いまつげ。ずるくない?ちょっと反則じゃないの、とあたしは思う。
ふにゃり、とその表情が緩んだ。
「・・・もぉ・・・・・・ちゃんてば、大胆なんだからぁ・・・むにゃむにゃ・・・」
「・・・・・・(オイ)」
いったいどんな夢見てるのよ、このオトコは?
・・・でも、まぁイイか。そんなしあわせそうな顔してるんだから、きっと楽しい夢だよね?
ねぇ、あなたは今しあわせ?あたしのそばに居て、しあわせ?
こうしてあなたの寝顔を独り占めしているあたしはしあわせだよ。
目が覚めたら、カカシは『あたしだけの』カカシじゃなくなっちゃう・・・。
だから、もうちょっとだけ・・・もう少しだけ、あなたを独り占めさせて。
あなたを『愛しい』と想う気持ちは、目には見えないけれど、あたしのなかに確実に存在する。
【あとがき】
カカシ先生の寝顔を独り占めしたい〜!(笑)
2004年9月12日 (web拍手オマケページにて使用)